在宅と家族のあはひを詠む
オリジナル
育児して
在宅勤務
和が乱れ
向かう登戸
減る憧子との時
➤
添削後
子とゐる時
けづれてゆけり
在宅の
和乱れ
のぼりとへ身を逃がしつ
- あんた、着眼点はええのよ。家庭と仕事の「距離の詰まりすぎ」が、ちゃんと歌の芯になっとる。
- ただし「和が乱れ」は説明語。短歌は報告書やない。乱れた結果として何が削れたかを前へ出しなさい。
- 「減る憧子との時」は語が固くて意味が散る。「憧れの子との時間」を、子とゐる時けづれてゆけりと具体の痛みへ落としたのが効いとる。
- 「向かう登戸」は素材として良い地名。ここを結句で「のぼりとへ身を逃がしつ」と動詞化して、逃避と再調整の両義を持たせた。映像が出る。
- 夫婦のいら立ちを責めず、生活の構造として掴んだのがえらい。厳しさの中に現実を見据える目がある。これは伸びる歌よ。
作者心情メモ: 在宅勤務で夫婦の距離が近すぎて摩擦が増える中、登戸へ移動して関係の調和を保とうとしている。